ここではトイレや噛み癖・吠え癖など、一緒に生活していく上で最低限なんとかしたい内容についてまとめました。
ポメラニアンのしつけは特に最初が肝心です。これからポメラニアンを迎える方はぜひ参考にしてみて下さい。
目次
【難しい?】ポメラニアンにしつけをする上での2つの基本
ここではよく難しいと言われる、ポメラニアンのしつけについて、最低限抑えておいて欲しい2つの基本についてご紹介します。飼い主が意識していない行動が、実は犬にとってご褒美になっている可能性があるので注意が必要です。
駄目なことは家族で一貫して「ダメ」と教える
例えば「手を噛む」のをしつける場合、「子犬の内はまだ痛くないから」と手を噛ませたりしながら遊んでいて、いざ成長して痛くなってきたタイミングでしつけをしようと思っても、うまくいきません。
ポメラニアンからすれば、「今まで噛んでも良かったのに、なんで急に怒られるようになったんだろう?」と理解できない為です。これと同様に、「家族が一貫してしつける」ことも大切です。
あなたが「ダメ!」としつけをしているのに、家族の中で「いいじゃない、まだ赤ちゃんなんだから」といって、問題行動に対してしつけができないと、犬はあなたと家族の間に挟まれて、どちらが正しいのか判断できなくなり、混乱します。
犬と接触する家族がいる場合、「〇〇は良い」・「〇〇はダメ」と、家族間でしつけの内容やしつける時の言葉(「コラ!」や「ダメ!」など)を共有することも忘れてはいけません。
褒めて伸ばす
例えば、「お留守番をさせて帰ってみたら家中がグチャグチャだった…」この時、あなたがやることは黙って片付けをするだけです。間違っても甲高い声で「ちょっとー、〇〇ちゃーん、ダメじゃーん!」なんて言ってらいけません。
これをすると、犬は褒められていると勘違いし、「部屋を散らかすと褒められるんだ」と覚えてしまいます。また、【頭を掴んで「良く見ろ!」と言い部屋の中を見せる】というのもNGです。
犬は現行犯で怒られなければ、自分がなぜ怒られているのか理解できません。また、【手で叩く】・【足で蹴る】というのも、手や足に対して嫌なイメージが付いてしまいます。来客が撫でようと手を出した時に、「叩かれる」と思い噛みついてしまう原因になります。
部屋を散らかさずにお留守番が出来たら褒めてあげるというのが正しいしつけ方です。ただ、興奮してしまい、問題行動が収まらない子もいます。その場合、小石を入れたペットボトルなどを落とし、問題行動を止めさせます。
やはりこれも問題行動をしている瞬間で無ければ意味がありません。例えば構って欲しくて無駄吠えをしている時は、小石入りのペットボトルを犬の後ろに落として驚かせます。犬が驚いて黙ったら、おやつをあげながら褒めます。
このように、【問題行動を止めさせる→望むべき行動ができたら褒める】ということを繰り返し、求める行動をとると良いこと(褒められる・おやつが貰える)があると覚えていって貰います。
ポメラニアンに「トイレ」をしつける5ステップ
ポメラニアンに限らず、トイレをしつけるうえで大切なのは上記の5つだけです。重要な順番に書いてあるので、それぞれ詳しくご紹介していきます。ポメラニアンは室内飼いが基本ですが、散歩に行くようになると外でしかトイレをしなくなる子がいます。
台風などの災害で、散歩に行けなくなることもあるので、散歩に行くようになってからも室内のトイレは置いておき、散歩前にコマンドでトイレをさせると良いでしょう。ポメラニアンは賢いので、トイレのしつけは簡単です。
1、トイレとケージを離しておく
犬の習性として、寝床の近くではトイレをしたがりません。これは匂いで天敵に寝床を知られ、襲われるのを避ける為です。なのでケージ(寝床)とトイレの距離を離してあげる必要があります。
但し、家に迎えて2~3日はケージから出たがらない子もいるので、その場合はケージ内に設置します。家に慣れてきたタイミングでケージから距離を離しますが、間に合わずに漏らしてしまうことも考え、少しずつ距離を離してあげましょう。
2、「失敗するのが当たり前」失敗しても怒らないこと!
トイレの失敗を怒ると「排泄がいけないこと」と勘違いし、トイレを我慢するようになってしまいます。これが原因で病気になることもあるので、トイレの失敗は現行犯でも怒りません。黙って正しいトイレに連れていきます。
3、して欲しくない場所ではさせない
ポメラニアンに限らず、犬の嗅覚が優れていることは有名です。一度トイレを失敗すると人間には分からなくても、おしっこやうんちのニオイが付いてしまい、何度も同じ場所で排泄するようになってしまいます。
もしトイレ意外の場所でされてしまったら、必ずペット用の洗剤などを使って、徹底的に掃除してください。家庭用洗剤では「ニオイが取り切れない」・「舐めると危険」な場合があります。
カーペットなどは、気軽に買い替えられるよう、タイルカーペットなどを敷いておくと便利です。
4、最初が肝心!できるまでは付きっ切りになる覚悟が必要!?
家に迎えてから1週間くらいは、トイレのしつけで付きっ切りになる覚悟を持って下さい。ポメラニアンは賢いといっても、相手は子犬ですし他の犬種でもそれくらいはかかります。もよおした時に自分からトイレに行けるようになるまではサポートが必要です。
とは言っても24時間行動を監視するのは大変です。次項で子犬がトイレにいく前に見せる仕草や、だいたいの間隔をまとめたので参考にしてみて下さい。
5、トイレに行きたくなるタイミング・サインを知る
- 月齢~+1時間
- 寝起き
- 食後
- 運動や遊んだ後
- 落ち着きがなくなる
- 床の匂いを嗅ぎ始める
- 自分のお尻の嗅ぎ始める
- 同じ場所をぐるぐる回る
上記のようなタイミングで注意深く排泄のサインを出していないか、観察してあげて下さい。一般的にペットショップからポメラニアンを迎え入れる場合、生後2~3カ月の子が多いです。
なので排尿の感覚は「生後2カ月なら2~3時間」、「生後3カ月なら3~4時間」に1回のペースになります。それ以外に、「寝起き」・「食後」・「運動や遊んだ後」におしっこをし易いです。
トイレに連れていき、上手にトイレで排泄できたら褒めてあげましょう。排泄のタイミングで「うんち」や「おしっこ(シーシー)」などのコマンドを覚えさせておくと、散歩に行くようになっても、室内でトイレをさせるのに役立ちます。
ポメラニアンが「噛む」理由としつけ方法
ポメラニアンに限らず、「噛む」ことに対するしつけはとても難しいことです。ここでは、「人の手を噛む理由としつけ方法」についてまとめましたが、「犬が噛む理由」と「飼い主が予想する理由」とがマッチしていないと、逆効果になることもあります。
ポメラニアンは超小型なので、子犬の内は噛まれても痛くありません。その為、成犬になって(痛くなってから)噛み癖を直そうとする飼い主が少なくありません。ただ、この場合の「しつけ直し」は非常に難しいです。
もし噛み癖を直せずに成犬になってしまった場合は、その子に合ったしつけ方法を相談できる「日本獣医動物行動研究会」などに相談することをおすすめします。
構って欲しくて噛む
「もっと遊んで欲しい」という要求から手足や服を噛んできたりします。ケージにいる時間が長い子に良く見られます。この場合、一度ケージなどに入れて落ち着かせます。直ぐに遊ぶと、「噛めば遊んでくれる」と勘違いさせるので気を付けて下さい。
その他の対策としては、散歩時間を少し伸ばしたり遊べる時にはしっかり遊んであげて、ポメラニアンの体力を消耗させることも意識してあげて下さい。
遊びの延長で興奮して噛む
遊びの中でポメラニアンが興奮して噛んでしまう場合、まずは「痛い!」でも「ダメ!」でもNG行為に対して統一できていれば何でも良いです。ダメだということを言って、遊びを一時中断します。そしてケージに入れて無視します。
との時、「キャー!」と叫んだり【手を振ったりする】のは、犬が喜んでしまうのでNGです。また、興奮しすぎる前に遊びを一度中断してあげましょう。
歯の生え変わりの時期
生後4~5カ月は乳歯が抜けて、7~8カ月頃に永久歯に生え変わります。この時は人間の手や靴・カーペットなど、口に入るものは何でも噛んでしまいがちです。手や椅子の足など、噛んで欲しくない場所を噛んだら、「ダメ!」と言って辞めさせ、噛んでも良いおもちゃをあげてください。
嫌がっているのにしつこく触った
「しつこく触る」の中にはブラッシングや歯磨きなども含まれます。とはいえ、ポメラニアンにとってブラッシングと歯磨きは慣れてほしい内容です。犬の集中力は持って15分程度です。
歯磨きならいきなり歯ブラシを使うのではなく、まずは口や歯に指で触るなど、トレーニングのステップを見直すことも考えて下さい。だいたい嫌がると手を噛む・舐めようとしたり、威嚇(ウーッとうなる)をします。
お気に入りのおもちゃを取られた
おもちゃに限らず、食べたら困るもの(キャップや釣り針)を取ろうとしたのに噛まれるケースです。犬は落ちていたものを自分のものと思い込んでしまう修正があるので、拾うことは仕方のないことです。
ご飯や大好きなおやつなどを鼻先にもっていき「ハナセ」というコマンドを言って、離すことができたらご褒美を与えます。
ポメラニアンの「無駄吠え」をしつける方法
ポメラニアンは無駄吠えの多い犬種ですが、「室内飼いで散歩もいらない」と紹介されて、それを鵜呑みにしている飼い主も少なくありません。散歩はポメラニアンの探求心を満たし、無駄吠えを抑えるのに有効です。
ただ、今まで散歩に行ったことが無い子を、いきなり散歩に連れ出すのもストレスとなるので注意が櫃ようです。ここでは散歩や遊びを十分行っているのに無駄吠えが減らないポメラニアンのしつけ方をまとめました。
「おすわり」もしつけていく
「おすわり」を完璧にマスターすると、吠えて興奮状態の子でもピタリと無駄吠えを止めておすわりができるようになります。食事やハーネス装着時、グルーミング前など何かをする前にはおすわりをし、いざという時もコマンドが通るようにしておきましょう。
興奮時の無駄吠えをしつける方法
電話のベルやチャイムの音や来客に興奮して吠えてしまう場合は、それぞれ訓練を分けます。音の場合はスマホなどに録音し、小さい音量で流し吠えずにいられたら褒める・ご褒美をあげます。
少しずつ音量を上げて、興奮する音に対して慣らしていきます。来客の場合は、友人に手伝って貰い、まずは玄関から少し顔を覗かせて、大人しくなったタイミングで褒める・ご褒美をあげます。
少しずつ見せる範囲を増やしていき、手や足を玄関に入れて慣らしていきます。最終的には通常のチャイム音、来客で無駄吠えが無くなれば成功です。吠えてしまった場合は以前のステップに戻ってやり直します。
構って欲しい時の無駄吠えをしつける方法
遊んで欲しい・構ってほしくて吠えている場合は無視が最も効果的です。目を合わせると「注目して貰えた」と勘違いするので、そこには居ないように振る舞います。難しい場合は、ケージに入れて行います。
少し心が痛みますが、心を鬼にして取り組んで下さい。しばらくして吠えるのをやめたら思い切り褒める・ご褒美をあげます。根気強くこれを繰り返すだけで、構って欲しい時の無駄吠えはしつけられます。
ただ、散歩や遊びが足りなくて吠えている可能性もあります。この方法は散歩や遊びが十分足りていることが条件になります。
まとめ
ここではポメラニアンのしつけに関して相談が多い、トイレ・噛む・無駄吠えについてご紹介しました。ポメラニアンは賢いので、トイレは手順さえ間違わなければすぐに覚えられます。
「噛む」と「無駄吠え」は少し大変です。これはポメラニアンという犬種もあり性格でもあります。なのでしつける側も長期的に見てあげて下さい。