他の犬種と比べればトイレのしつけは簡単な方ですが、噛み癖について柴犬の特性上、少し難しいケースもあります。
しつけの基本から実際のしつけ方までまとめたので、柴犬を飼っている方・これから柴犬を迎える方は参考にしてみて下さい。
目次
【3カ月目?4カ月から?】難しい柴犬のしつけを始める時期と基本
- 生後3カ月から始める
- 3カ月以降の子は迎えてから4日目以降に開始
- 基本は「褒めてしつけ」る
- 人に慣らしていく
- 一貫した態度をとる
- やって欲しくないことは絶対に折れない
柴犬のしつけを開始するには3カ月を目途に始めます。「柴犬の年齢を人に換算すると?」でもわかるように、柴犬の生後3カ月は人で言う5歳にあたります。この時期はしつけも覚え易く、内容も忘れにくいです。
裏を返すと、「間違ったしつけを直すのも大変」な時期でもあるので十分理解した上でしつけを行いましょう。また、3カ月を過ぎた子をしつける場合、迎えいれてから3日はそっとしておいて、4日目から開始しましょう。
柴犬のしつけは「褒めて伸ばす」
柴犬に限った話ではありませんが、犬のしつけは「褒めて伸ばす」が基本です。「噛み癖」をしつける時に「ダメ!」の一言は必要ですが、ダメと言われて手を放すことができた時には大げさなくらいに褒めてあげて下さい。
オヤツを与えても良いです。大切なのはタイミングで、求める行動をとれたら3秒以内に褒める・オヤツなどのご褒美をあげることです。これは時間が経つと、何に対するご褒美なのかが分からなくなる為です。
柴犬のしつけは「人に慣らしていく」ことが大切
柴犬は従順な性格ですが、洋犬のように飼い主とデレデレはせず、一定の距離を保ちます。触られるのが苦手な子もいます。歯磨きやブラッシング、室内飼いの場合は散歩後の足拭きなど、少しずつ触られることに慣れさせていく必要があります。
柴犬のしつけは家族全員で「一貫した態度」が必須
柴犬は賢く一度覚えたことを曲げようとしない頑固な性格をしています。例えば「噛み癖」をしつける際に、あなたは「ダメ!」と教えているのに、家族のうち一人が「じゃれてるだけだから」と甘噛みを許していると柴犬は混乱します。
どの犬種でも「前は良かったのに何でダメなんだ?」と混乱しますが、柴犬の場合は自分の中で良いと覚えたことをしつけ直すのが特に大変です。柴犬をしつける時は、家族できちんと話し合い、「良い・悪い」を一貫してしつけることが大切です。
柴犬にやって欲しくないことは絶対に折れない
これも柴犬に限った話ではありませんが、やって欲しくないことは絶対に折れてはいけません。「暴れるから」・「噛まれるから」という理由であなたが折れてしまうと、柴犬はあなたよりも自分の方が立場が上だと勘違いしてしまいます。
それだけでなく、「ここまで嫌がれば引いてくれる」と勘違いし、様々なことに対して自分の意見を通そうと暴れるようになります。結果として問題行動の悪化を起こすので、しつけの際は「絶対に折れない」強い意志が必要です。
【実は簡単!】柴犬の子犬にトイレのしつける方法と5つの注意点
柴犬のトイレトレーニングは、他の犬種と比べれば簡単です。ただ、柴犬という犬種の特性を理解すると、トイレのしつけがよりスムーズに進みます。なので、まずは注意点からご紹介します。
柴犬にトイレのしつけをする時の5つの注意点
- 出来なくても怒らない
- ケージとトイレを離す
- トイレの大きさは成長に合わせて変える
- トイレの場所は人の出入りが少ない部屋の隅
- トイレを常に清潔に保つ
柴犬には犬の修正が強く残っています。それを考えると上記のようなことに注意することで、柴犬のトイレのしつけがスムーズに進みます。
トイレを失敗しても怒るのはNG
トイレを失敗した時に怒るしつけがNGとされる理由は、「排泄行為を怒られている」と勘違いさせてしまう為です。これはトイレを我慢させる原因となり、病気を誘発させることもあるので絶対にNGです。
なので、トイレを失敗してしまった場合は何も言わずに早めに片付けます。トイレに誘導する際も怒らずに黙って誘導します。逆にきちんと所定の場所で排泄できた時は褒めてあげて下さい。いちいちオヤツをあげなくても、大げさに褒めてあげるだけでも十分です。
柴犬のトイレをケージから離す理由
柴犬は他の犬種と比べると、犬本来の習性が強く残っていて、ケージ(寝床)と近いトイレで排泄するのを嫌います。これは、排泄物のニオイで外敵に自分の巣(寝床)を知られることを避ける為です。
洋犬などのトイレのしつけでは、ケージの中にトイレを設置しますが、柴犬の場合は寝床とトイレを離してあげなければいけません。ただ、あまりに遠いとトイレにたどり着くまでに漏れてしまうので、同じ部屋の端と端くらいのイメージで良いでしょう。
トイレの大きさを成長に合わせる理由
トイレのサイズは大きすぎると嫌がったり、小さすぎるとトイレから漏れてしまいます。色々なサイズが売っているので、体がトレーに収まるくらいのサイズを選ぶと良いでしょう。成長に合わせてある程度買い替えてあげましょう。
トイレの場所を人の出入りが少ない場所にする理由
人間だって排泄をしている時に回りをウロウロされたら集中できませんよね?動物にとって排泄中に襲われると、反撃や逃走が出来ないのでリスクが高いです。排泄に集中できるように、人の出入りが少ない場所に設置したり、専用のケージやサークルを作ってあげるとなお良いです。
トイレを常に清潔に保つ理由
これは柴犬に限りませんが、犬はキレイ好きな動物で、汚れたトイレで排泄するのを嫌がります。基本的にトイレシーツなどはその都度交換してあげましょう。
超簡単!柴犬にトイレをしつける3ステップ
柴犬にトイレをしつけるのは3ステップでできます。とは言え、ステップを進める中でポイントなどがあるのでそれぞれを詳しくご紹介します。
排泄の合図を見てトイレに連れて行く
- そわそわする
- 床のニオイを嗅ぎだす
- お尻を気にする
- 後ろ脚の動きがぎこちない
上記のような「トイレのサイン」が始まったらトイレに誘導していきます。得に寝起きや運動の後に排泄することが多いので、良く観察しましょう。生後3カ月頃だと3時間、4カ月頃なら4時間おきくらいにおしっこをします。
最初の内は大変ですが、おしっこのサインを見逃さないよう、付きっ切りでのしつけが必要です。
排泄中に掛け声をかける
「うんち」や「ワンツー」、「おしっこ」や「シーシー」など、排泄の際に掛け声をかけてあげると、犬が排泄して良い場所・タイミングなのかを判断できるようになります。
トイレで排泄できたら褒める
所定の場所で排泄できたら「良い子!」・「よくできたね!」など、大げさに褒めてあげて下さい。オヤツを与えるしつけも間違いではありませんが、毎回オヤツをあげるのも大変です。肥満も心配ですね。
トイレの成功率が上がるので、オヤツを使っても良いです。ただ、完璧にできるようになったら少しずつオヤツの回数を減らすなど、最終的にはオヤツ無しでトイレできるように持っていきましょう。
柴犬の「噛む・噛み癖」のしつけが難しい理由と方法
柴犬は他の犬種と比べると、噛みつきやすいです。これは柴犬の特性も理由に含まれています。ここでは「なぜ柴犬は他の犬種と比べると噛み易いのか?」と、「子犬の噛み癖のしつけ方」をご紹介します。
1歳以降になると、噛み癖のしつけは難しくなります。しつけ方によっては逆効果になることもあるので、しつけ教室も検討して下さい。また、以上な攻撃性の裏には、「てんかん」などが原因となっている可能性もあるので獣医にも相談してみましょう。
柴犬の「噛む・噛み癖」のしつけが難しい2つの理由
「噛み癖」は原因と対処法がマッチしないとしつけが上手くいきません。なのでしつけの中でも難しい部分でもあります。ですが、柴犬の場合は次に紹介する特性が他の犬種と比べて強い為、しつけが更に難しくなります。
柴犬をひとくくりにするつもりはありませんが、柴犬には次で紹介するような特性が強い傾向があります。トレーニングによってしつけも可能ですが、「柴犬の特性」をよく理解することも必要です。
柴犬は触られるのが苦手な子が多い
柴犬は飼い主に従順ですが、たとえ飼い主であってもベタベタ触られるのを嫌う子がいます。血統も関係していると考えられていますが、洋犬のようにベタベタされるのを苦手とします。
「撫でていたところ、複縦ポーズ(仰向けに寝てお腹を見せる)をしたので、お腹を撫でたところ噛まれた」など。この場合、複縦ポーズが「もう止めて、お願い」という意味だった可能性もあります。
ちなみに、柴犬に限らず「犬はハグや抱っこを8割の子が嫌がる」というデータもあります。これは行動を制限されることで、緊急時に逃げられないことが本能的に受け入れられない為と考えられています。
柴犬は所有欲が強い
柴犬は落ちている物を巣(犬小屋やケージ)に持ち帰り集める傾向があります。これを取り返そうとすると、威嚇や噛まれるといったケースがあります。「ご飯をあげる為に餌を入れるお皿をとろうとしたところを噛まれる」というのもこれです。
柴犬の子犬の噛み癖をしつける方法
噛まれた時の状況 | しつけ方法 |
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子犬で特に多いのは、遊んでいて興奮しすぎて手を噛んでしまうというケースです。この場合、遊びを中断し無視するのが効果的です。「痛い!」と叫ぶのは手を離させる為ですが、逆に興奮させてしまう場合は無言で構いません。
先にも書きましたが、柴犬は触られたり拘束されることを嫌う子が多いです。この場合、「嫌だ」と思っていることに対して、おやつを使って苦手意識をとっていくことでしつけが上手くいきます。
例えば、首輪が苦手な子なら、次のようなステップでしつけをしていきます。上手くいった時に3秒以内にご褒美をあげるのも大切ですが、NG行動(嫌がって噛むなど)をした時におやつを与えないように気を付けて下さい。
- 首輪を見せる→噛まなければオヤツ
- 首輪をくぐらす→直ぐにおやつー嫌がって外したらもう一度
- (直ぐに外せる状態で)首輪のサイズを首の太さに調節→嫌がらなければ直ぐにおやつ
上記を見て貰えばわかるように、少しずつ「首輪」に慣らしていきます。そもそもあなたの手に対して苦手意識がある場合もあります。この場合も、おやつを10~20㎝感覚で起き、その先で手のひらにおやつを置いて待ちます。
手のひらからおやつを食べてくれたら成功です。首輪の練習も兼ねて、おやつを鼻先に近づけて上下左右・頭の上などで円を描くように回してみましょう。これもできれば、首輪のトレーニングに入れます。
柴犬のしつけが難しい場合は「しつけ教室」も検討する
柴犬は特性もあって、「噛まれる」という相談が多い犬種です。「噛み癖」のしつけは「噛む」という行動の理由によって対処法を変えなくてはいけません。ここが素人や初心者の方には難しいところです。
間違った対処法をすると噛み癖が悪化することもあります。主従関係を築き、自分でしつけたい気持ちは分かりますが、ずっと柴犬を飼っていた人でも、しつけが難しい子もいます。
「しつけ」や「しつけのし直し」は早ければ早いほど良いです。犬を初めて飼う初心者の方は、早めに「しつけ教室」に通ったり、プロの意見を聞く機会を作って下さい。自治体によっては無料のしつけ教室を行っているところもあります。
まとめ
ここでは柴犬のしつけについてご紹介しました。柴犬は賢く従順な犬種ですが、時にはその性格があだとなることもあります。
噛み癖についてはしつけの問題だけでなく、病気の可能性もあることを忘れてはいけません。噛み癖のしつけが上手く行かない場合は、獣医やトレーナーに相談してみましょう。